深く考えることをひたすら続けた教え子の芸人
これはお笑いの世界でも同じです。長年、講師の仕事をしてきましたが、売れる芸人は、こちらが一言残したようなことも、表面上で捉えることはしません。
たとえば、「漫才のテンポがあまりよくない」と私が言ったとすると、ただ、テンポを修正するだけではなく、
・テンポが悪いってことは、もしかして言葉遣いの影響もある?
・これまでは店舗の指摘を受けたことなかったから、前のネタと比較してどこが悪いのだろう?
・テンポがいい漫才師と自分たちは何が違う?
・関西と関東ではリズムが違うのでは?
とどんどん深掘りしてくのです。当然、そういった生徒はメキメキと力をつけて一気に売れっ子の階段を駆け上がっていきます。
かの有名な南海キャンディーズ山里くんは、NSC(お笑い養成所)の授業のたびにノート3冊を持ち込んで自分以外の人に向けられたアドバイスも全部メモして自分のエネルギーにしようとしていました。
少し話は脱線しましたが、このようにして深く考えられる人は、言われたことを起点にして疑問を持てるのです。そうすることで、人よりも自然と考える質が高まり、成長していけます。
何か特殊なことというよりも、ちょっとした意識でできることなので、頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。