大学 地殻変動#12Photo:PIXTA

理工系大学群のくくりで「東京4理工」(四工大)と呼ばれる芝浦工業大学、東京都市大学、東京電機大学、工学院大学は、東京理科大学に偏差値では及ばない。この4大学による下克上はあるのか。特集『大学 地殻変動』(全21回)の#12では、首都圏私立20大学について、ベネッセコーポレーションの協力で1982年以降42年間の偏差値の推移をまとめ、大学通信の協力で一般選抜入試の実質倍率を10年前と比較した。(ルートマップマガジン社取締役・編集長 西田浩史、ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

“中途半端”な東京4理工
下克上はあるのか?

 意地の悪い言い方をすれば、「東京4理工」(四工大)は“中途半端”なポジションにいる。東京4理工は、芝浦工業大学、東京都市大学、東京電機大学、工学院大学という、首都圏にある四つの理工系私立大学をくくったものだ。

 理工系学部は今、最もホットな分野だ。国は7月、118大学(高専を含む)に対して理工農系に資金支援することを発表し、今後は選ばれた大学で学部・学科の再編や新設ラッシュが巻き起こるのだ。これにより、少子化で生き残り競争を迫られる大学において、文系から理系へのシフトが進むことになるだろう。

 すでに理工系に特化した大学にとって、設備や人材の面で新規参入組においそれと負けることはなくても、既存組と戦いを繰り広げることになる。

 そもそも首都圏の理工系私立大学の立ち位置はどのようになっているのか。

 理工系私立大学のトップである東京理科大学は、「早慶上理」(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大)と呼ばれる最難関私立大学群でくくられている。早慶上理の下にある首都圏難関私立大学群「MARCH」(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)と東京理科大に両方に合格した場合、つまりダブル(W)合格したときは、東京理科大を進学先に選ぶ受験生が多い。

 東京4理工は東京理科大の下で、MARCHなどのメジャーなくくりに入らない“中途半端”なポジションである。では、受験難度はどのように推移しているのか。MARCHにも合格した場合はどちらが進学先として選ばれるのか。就職に強いのはどちらなのか。

 次ページでは、東京4理工を含む首都圏私立20大学について42年間の偏差値推移早見表、および入試倍率を掲載。東京4理工の本当の実力をつまびらかにする。東京4理工による東京理科大への下克上はあるのか。