そして、あなたが一番メンバーに対して「伝えられる存在」であってほしいと思います。ベストなタイミングと相手が大切にしていることを理解し、信頼関係の土台をつくったうえで、相手の成長につながる価値あるメッセージを伝えましょう。
話が長いリーダーはそれだけで
部下に大きな迷惑をかけている
あなたとメンバーとの信頼関係を強化する一番シンプルな方法は、相手のペースに合わせて「部下の話を聴くこと」です。
ポイントは必ず、メンバー自身に「リーダーに話を聴いてもらった」という感覚を残すことにあります。「リーダーは、自分の話を聴いてくれる存在だ」と心から感じてもらうことです。そのためのポイントは話す割合を3対7で相手に多く話してもらうこと。
面談中、もしリーダーが一方的に話していても、多くの場合、部下は笑顔で話を聴いてくれるでしょう。でも心の中では、「早く終わらないかな」「私の面談の時間なのに」と思っているはずです。
私たち人間の集中力は、思うより長く続きません。「自分の部下は長い話もよく聴いてくれる」と感じているとしたら、相当迷惑なリーダーになっている可能性大です。頑張って聴いているフリをしているだけで、本当はたいして聴いていないかもしれません。
長い話がすべてダメだと言っているわけではありません。プライベートの付き合いなら、多少あなたの話が長くてもつまらなくても、何を言っているのか要点がつかめなくても、異性にモテないくらいで、問題はないと思います。
問題なのは、リーダーなのに、あなたの話が長くてわかりにくいこと。あえてわかりにくいと言ったのは、話の長い人にわかりやすく話せる人を見たことがないからです。
林 友香 著
言葉には感情がのります。感情の動きが大きい人はとくに、話している間に論点を見失いやすく、全然違う場所へ話が飛んでしまうこともあるでしょう。でも仕事でそれをしてしまうと、相手にとっては正直迷惑ですよね。
もしあなたが伝わりやすい話し方ができていないと感じるなら、ポイントは結論から伝えること。そして、25秒以上話さないことです。相手に入る隙を与えながら、リズムを大切に区切って話すこと。このリズムを覚えるだけで、あなたのコミュニケーション力は格段に上がります。
内容がわかりにくいなと思ったら、一度自分の中で整理をして、新聞の見出しを参考にして「大見出し」「要約」「本文」を3つを考えてから話すことが大切です。
伝えたいことを相手が理解しやすいように、わかりやすく伝えるのは、相手に対する思いやり。だらだらと、道筋の見えない長い話をするのはとっとと卒業して、仕事では、シンプルな言葉のキャッチボールを意識してみてください。