ハーバード大教授が「人脈づくり」の秘訣を伝授、学生にも勧める具体的手法とはアーサー・ブルックス教授 (C)Evgenia Eliseeva

転職で幸せになる人、不幸になる人の違いは何か。ハーバードビジネススクールのアーサー・ブルックス教授は「知識や就業体験と同じくらい“人脈形成”が重要」だと指摘する。自身も3度の転職を経験したブルックス教授に「人脈づくりの秘訣」を聞いた。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)

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「人脈づくり」には秘訣がある
ハーバード大教授が学生にも勧める手法は?

佐藤智恵 『人生後半の戦略書』では、中高年になってから人生をリセットし新たなキャリアをスタートした人たちの事例が紹介されていますが、日本では経済的な不安から転職をあきらめてしまう人があとを絶ちません。こうした人たちの不安を解消し、キャリアチェンジを後押しするために、日本政府は何をするべきでしょうか。

ハーバード大教授が「人脈づくり」の秘訣を伝授、学生にも勧める具体的手法とはアーサー・ブルックス教授 (C)Ann-Marie VanTassell

アーサー・ブルックス アメリカはもともとリスクをとって挑戦する人たちが集まっている国ですから、日本とは少し事情が違うかもしれません。この国には移民の国ならではの開拓者精神が根づいていて、率先してリスクをとって新たなことにチャレンジする文化があります。

 したがってアメリカ人は仕事が嫌になったらすぐに転職します。仕事のあてもないのに全く知らない土地に引っ越して、ゼロから職探しをしたりする人もたくさんいます。私の父も祖父も40代で大きな転職をして、人生をリセットしていますが、この「どこへ行っても何とかなる」と信じて行動する文化は、移民の国ならではのものだと思います。

 とはいうものの、どの国においても、経済を成長させるためには「リスクをとって挑戦する人」が不可欠です。では日本で積極的にチャレンジしてくれる人を増やすにはどうしたらよいのでしょうか。