米国に代わる覇権国家を目指す中国。習近平国家主席は、「建国の父」である毛沢東の路線を推し進める。だが、中国を大国に押し上げた肝心の中国経済は問題を抱える。特集『対話で分かる地政学』(全14回)の#11は、覇権を目指す中国の動向を解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希、監修/地政学・戦略学者 奥山真司)
覇権を目指す中国
経済に3大リスク
陸 (スマートフォンを耳に当て)へー、そうだったんだ。うん、またね。
恵 あら、陸が電話で話しているなんて珍しいわね。
陸 今、兄ちゃんと話していたんだ。ほら、前に中国に短期留学していたから、中国ってどんな感じだったのか聞きたくってさあ。
恵 (あらあら、家にいたときは2人で話をすることもほとんどなかったのに。これも地政学効果かしら)
奥山 私も高校卒業後はぶらぶらしていて、それからたまたまカナダに行ったんですよ。
明 意外じゃのう。先生はびしっと人生設計しているかと思ったが。
奥山 今は戦略学者を名乗っていますが、当時は全然戦略がなかったですね(笑)。でも、若いうちに海外に出るのはいいことですよ。陸くんもぜひ機会があれば。
陸 う、うん。せっかくだから考えてみようかな~。
奥山 さて、今日は中国の現状について三牧先生のような専門家に話してもらうつもりだったんですが、都合がつかなかったので、私が話を聞いてきました。
ポイントは二つです。一つは現在の最高権力者である、習近平国家主席についてです。彼がどう権力を握ったか、また目指す方向性を解説します。