地政学で国際情勢を読み解く一つのポイントが、国家を「陸」の勢力か、「海」の勢力かに分けて考えることだ。歴史的に、陸と海の勢力は対立を繰り返してきた。特集『対話で分かる地政学』(全14回)の#5は、地政学の“第一人者”である奥山真司氏が、地政学の基本その4を分かりやすく解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希、監修/地政学・戦略学者 奥山真司)
地政学では国家は2つに分類
「ランドパワー」と「シーパワー」
恵 動物園の次は、両国国技館(東京都)で相撲観戦ですか。
陸 相撲ってたまにテレビで見るぐらいで、生で見るのは初めて。
明 わしは子供の頃は大鵬(たいほう)が好きじゃったな~。
陸 大鵬?大鵬なんて力士は聞いたことないな。強かったの?
明 なんじゃ、知らんのか。「巨人、大鵬、卵焼き」って言って、子供たちはみんな大好きだったんじゃ。懐かしいの~。
奥山 さて、次の一番は、“青大海”と“赤大陸”か……、いいですね。
明 おっ、始まった。よし、がっぷり四つじゃな。青大海、押し切れ!
陸 やっぱり、僕と同じ名前の赤大陸でしょ。がんばれ赤大陸!
(赤大陸が寄り切り)
陸 やった~、赤大陸が勝った!なんだか自分が勝ったみたいだ。
奥山 いい取組でした。白熱した勝負の後になんですが、地政学に戻りましょう。
陸 あれっ、今日は相撲観戦の日じゃなかったの。
奥山 まさか。今回は地政学の大きなポイントの一つである、陸の勢力「ランドパワー」と海の勢力「シーパワー」という概念を説明します。地政学では、国家を二つに分類します。