>対話で分かる地政学#13Photo:pengpeng/gettyimages

米中対立のはざまにある日本。地政学の視点では、島国である日本はメリットを享受してきた。ただし、足元では大国となった中国が海洋覇権に乗り出している。特集『対話で分かる地政学』(全14回)の#13は、地政学の“第一人者”である奥山真司氏が地政学の視点から日本の状況を解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希、監修/地政学・戦略学者 奥山真司)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月21日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。登場人物は実在の専門家を除き、架空の設定です。

>>プロローグはこちら

日本はかつて「陸の勢力」
現在は米国と「海の勢力」に

講師:奥山真司(おくやま・まさし)

奥山 米国と中国を地政学的に捉えてきましたが、せっかくなのでわれわれの日本についても見ていきたいと思います。皆さん、日本の地政学的な特徴って、なんだと思いますか。

次男:大屋 陸(りく)

 (手を挙げて)はい。島国なので海外から攻められにくいですよね。海に進出してくる大陸からも遠く離れています。

母:大屋 恵(めぐみ)

 (あら、何事も消極的だった陸が手を挙げるなんて……)

講師:奥山真司(おくやま・まさし)

奥山 そうですね。驚くかもしれませんが、日本は、かつてはランドパワーだったのです。海外の勢力と戦ったことは白村江の戦いなどわずか3回だけ。外に出ていったことがなかったんですね。

祖父:大屋 明(だいや・あきら)

 おー、内向的だった陸みたいじゃの~。ランドだけに(一同シーン)。

講師:奥山真司(おくやま・まさし)

奥山 ゴホン。ただし、その日本も明治維新後に海洋に進出しました。その後は、以前にもお話ししたように、中国に進出して、陸と海の両立を目指しましたが失敗。戦後は、シーパワーである米国勢力の一員です。

 さて、現状の日本を地政学的に捉えるとどうでしょう。