対話で分かる地政学#10Photo:Ed Freeman/gettyimages

特集『対話で分かる地政学』(全14回)の#10では、地政学に関心を持った人に、地政学への理解をより深めるための良書9選を紹介していく。地政学の古典から入門書まで理解の度合いで選んでほしい。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月21日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。登場人物は実在の専門家を除き、架空の設定です。

地政学を学ぶ良書9選
1冊目は地政学の「古典」

 まずは地政学の「古典」とでもいうべき書籍から紹介する。

 1冊目が、英国の地理学者で、実質的な「現代地政学の開祖」であるハルフォード・ジョン・マッキンダー(1861~1947年)が1919年に出版した『マッキンダーの地政学 デモクラシーの理想と現実』である。

 地球全体を一つの閉鎖された空間と捉え、「人類の歴史はランドパワーとシーパワーの闘争の歴史である」と説くなど、地理学者のマッキンダーは、地政学という言葉そのものは使っていないものの、地政学的な考え方が詰まっている。

書影『マッキンダーの地政学 デモクラシーの理想と現実』『マッキンダーの地政学 デモクラシーの理想と現実』
(H・J・マッキンダー 著、原書房)