前立腺肥大症になった場合の処置は?
投薬で前立腺は小さくなるのか

 前立腺肥大症による排尿障害へは、尿が出にくい症状を緩和する薬や夜中の頻尿を抑える薬などを複合的に使用して対処します。これらの薬は効果が相反するものなので、状態に応じて処方することが必要になります。

 このため、泌尿器科で診察を受けて自分の症状を正確に伝えることが大切です。また、定期的にエコーなどで前立腺の大きさや膀胱、腎臓の状態を観察することも必要です。

 前立腺が肥大化している場合には、前立腺自体を小さくする薬を処方する場合もあります。

「前立腺を小さくする薬としては、デュタステリドなどがあります。この薬にはテストステロンがジヒトロテストステロンへと変化するのを抑え、半年で前立腺を2~3割ほど小さくする効果があります。実はこの薬には発毛効果もあり、AGAへの投薬にも使用されています。ほかにも尿道を広げて尿の通りを改善する効果があるαブロッカーという薬を代表とする、さまざまな薬があります」

 しかし、薬で前立腺肥大症を根治することはできません。障害が重度の場合や前立腺がんが見つかった場合などには切除手術が行われます。