新NISA 徹底活用#4Photo by Yoshihisa Wada

ノーロードインデックス投資信託で7月、業界最低水準の信託報酬率の商品を投入したライバルの野村アセットマネジメントに、即座に追随した三菱UFJアセットマネジメント(MUAM)。今後さらに引き下げ競争が進むのか?再び追い抜かれた場合の対応は?特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の#4では、“格安王者”MUAMの横川直社長に今後の方針を聞いた。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月4日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

信託報酬「業界最安」はお客さまの安心のため
資産残高に応じて投資家の負担は減少する

――今年9月、「eMAXIS Slim」シリーズの全世界株式の信託報酬を、国内最低の0.05775%に引き下げました。

 信託報酬の引き下げは、投資家の皆さんに安心して投資信託を持ち続けていただけるようにするための施策です。

 インデックス投信は前から価格競争がありますが、投資家の皆さんが気にされるのは、自分が保有している投信よりさらに安い商品があるのではないか、という点です。

 こうした点を気にしないで保有し続けられるよう、eMAXIS Slimを設定しました。これが、業界最低水準を目指すとうたっている狙いです。信託報酬を引き下げるだけでなく、運用にかかるコストも削減に取り組んでいます。

 またeMAXIS Slimは残高が増えるに従って、負担していただくフィーが減少する仕組みですので、なるべく多くの方に投資していただくよう呼び掛けています。

 業界全体としてノーロードインデックス投信のお客さまの数や残高が増えたのは、よかったと思っています。

――野村アセットマネジメント(AM)が7月、先にeMAXIS Slimよりも低い水準の投信を設定し、三菱UFJアセットマネジメント(MUAM)が追随した形です。

格安インデックス投信の“王者”であるMUAMは、野村AMが7月に繰り出した業界最低の信託報酬のインデックス投信に対し、8月に即座に追随すると発表。信託報酬はこの2社が0.05775%の最低値で並んでいる。今後さらに引き下げる可能性があるのか。新NISAに向けた戦略は?詳しく尋ねた。