新NISAの口座獲得に向けた争奪戦で鼻息が荒い、地方銀行。現在のNISA口座獲得キャンペーンでも大枚をはたく。彼らの真の狙いはどこにあるのだろうか。特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の#3では、新NISAが地銀のビジネスにもたらす影響と期待感を探る。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
新NISAで客層が変わる?
投資枠が増えるとどうなる
「今までのNISAとは違う」――。地方銀行関係者は、来年から拡充されるNISAについてそう口をそろえ、期待を隠さない。
現在の年間120万円までの一般NISAの投資枠なら、資金に余裕のある個人であればすぐに使い果たしてしまう。つみたてNISAの投資枠は年間40万円までで、この制度のボリュームゾーンは、年齢の若い資産形成層が中心であり、銀行との本格的な取引とは縁遠い層だった。
だが新NISAの投資枠は、成長投資枠が倍増し、つみたて投資枠を含めると年間360万円へと一挙に拡大。生涯で最大1800万円まで期限なく投資できる。