総合経済対策で大学進学支援拡充
少子化や格差の是正に役立つか
政府が11月2日に閣議決定した「デフレ完全脱却のための総合経済対策」では、物価高への対応で打ち出された所得減税や給付金が議論になっているが、対策には他にもいろいろな施策が盛り込まれている。
人口減少への対応として、6月に発表した「こども未来戦略方針」を基に子育て支援を加速することも掲げられた。
戦略方針では、児童手当の拡充に加え、家計負担の大きい高等教育費の軽減が重視され、大学生や専門学校生向けの給付型奨学金の拡充や、所得が一定水準に達した後に返済を求める「出世払い型」の奨学金(大学院生から開始)などが、2024年秋に実施される予定だ。
また今回の総合経済対策では、ひとり親世帯の子どもの大学受験や模擬試験の費用を補助する方針も示された。
確かに高等教育の費用は家計の大きな負担だ。低所得世帯や中間層の子女への支援を増やすことは社会正義にもかなっているし、少子化対策にもなりそうな気がする。
しかし家計に教育手当をばらまいても格差や少子化が解決するとは限らず、今の大学の現状を見るとかえって事態が悪化する可能性もある。