
赤字続きだった老舗和菓子屋を、とあるアイスキャンディがV字回復へ導いた──1887年(明治20年)に創業した「五穀祭菓 をかの」で販売されている「葛きゃんでぃ」だ。
葛きゃんでぃは、和菓子に使われる葛粉で作った葛ゼリーを凍らせたもの。発案したのは、6代目女将の榊萌美氏。葛きゃんでぃに続き、季節ごとに中身が変わるフルーツ大福をネットで販売するほか、自家製シロップを使ったかき氷の店頭販売も地元の埼玉県桶川市を中心に話題を集めた。その影響もあり、をかのは2年連続で黒字になった。
さらに、榊氏は2021年12月に自身のオリジナルブランド「萌え木」も誕生させ、一口サイズの羊羹「YOKAN −予感−」や和三盆クッキー「CUKI -空気-」も発表するなど、事業を拡大させている。

榊氏が、葛きゃんでぃに続くヒット商品を生み出すにあたっては、どのような工夫があったのだろうか。
ヒットするモノの裏側にある法則をひも解いていく連載「令和のモノの売り方」。今回は、若年層女性向けSNSメディア「Sucle(シュクレ)」やSNSマーケティング事業を展開するFinT代表の大槻祐依氏が榊氏に話を聞いた。