複数のキーワードを基に、ニュース記事やビジネス用のメール、職務経歴書などの文章を約6秒で生成する文章執筆AI「ELYZA Pencil(イライザペンシル)」。同技術を開発するELYZAは、マイナビと共同で大規模言語AIを活用した原稿作成に関する実証実験を始めた。
両社ではELYZAが保有する大規模言語AIを用いて、求人原稿のドラフトなどを自動生成する仕組みの共同開発に取り組む。まずは2022年度中に求人原稿に特化した生成型執筆モデルの開発を進め、実証実験を経て現場への実装を目指す計画。マイナビが運営する求人領域以外のメディアへの展開も見込んでいる。
ELYZAは2018年設立の東京大学松尾研究室発AIスタートアップ。自然言語処理技術が強みで、現在は「日本語の大規模言語AI」の研究開発に力を入れてきた。
これまでにも法律領域では森・濱田松本法律事務所、コールセンター領域ではSOMPOホールディングスといったように複数の業界・職種において自然言語処理技術の活用に取り組んできたが、「メディア」や「(職務経歴書や求人原稿を含む)人材」は同技術によって業務の短縮やサービス品質の向上が見込める領域だという。
たとえば求人原稿に関しては表記ルールや法律適用など考慮すべき事項も多く、執筆にかかる負荷が大きい。一方でELYZA代表取締役の曽根岡侑也氏によると「(多様性が求められるものの)一定のルールやフォーマットのようなものがあるドキュメント」の方がAIとの相性が良く、ELYZA Pencilなどの技術を用いて原稿を自動生成できる余地がある。