Photo: Tim Robberts / gettyimages
Photo: Tim Robberts / gettyimages

親しい友人との繋がりを重視し、自分ではなく友人の写真を投稿する“アンチ自撮り”SNSの「Poparazzi」が急成長中だ。セレブリティを狙うカメラマンの「パパラッチ(Paparazzi)」をもじったその名は、「ユーザーが友人のパパラッチになる」ことをコンセプトとして付けられている。

Poparazziを開発したのは2018年設立の米スタートアップ・TTYLだ。2021年5月に正式ローンチすると、わずか数日でApp Storeのランキングで全米1位にまで上り詰めた。その後はSNSなどで話題に上ることも少なくなり、「一発屋ではないか」と揶揄する声も多く聞かれたPoparazzi。だが、実はZ世代(一般的には1990年代半ばから2010年代生まれの世代)を中心にユーザー基盤を順調に拡大し、2022年6月1日には累計ダウンロード数が世界で500万件を突破した。

なぜPoparazziのような次世代SNSは若きZ世代を惹きつけるのか。その鍵は、従来のSNSにはない、友人との「親密感」を重視していることにある。では、どのような設計によって親密感を実現しているのか、詳細を見てみよう。

Z世代を惹きつける次世代SNSに著名投資家も熱視線

冒頭でも説明したとおり、Poparazziは友人の写真を投稿するSNSだ。ユーザーによる自撮り投稿は想定していない。ユーザーのタイムラインには友人がパパラッチ感覚で撮影した自身の写真のみが並ぶというユニークな設計になっている。

もちろん、パパラッチされたすべての写真がタイムラインに自動投稿されるわけではない。ユーザーのタイムラインには事前に承認した友人だけが写真を投稿できる。また、気に入らない自分の写真は削除することもできる。投稿へのリアクションは絵文字のみで、コメントはできない。あえてコメント機能を実装しないことで、炎上や誹謗中傷が起こらないようにしている。