データとテクノロジーで小規模ブランドのBtoB取引を後押し

「goooods」のイメージ
2022年4月にベータ版をローンチした「goooods」

goooodsが2022年4月にベータ版をローンチした「goooods」は、小規模なブランドにとって障壁となっていた取引先の発見や与信管理などを一括でサポートすることを目指したコマースサービスだ。

ブランドを運営する事業者はShopifyやBASEのような感覚で卸売用のECサイトを立ち上げ、goooods上で受発注ができる。このサイトが新しいバイヤーとの出会いの場となる“オンライン上の展示会”の役割も兼ねるわけだ。

単にサイトを開設するだけでなく、“簡単にブランドの世界観を表現する”ためにデザインをアシストする機能などを実装。管理画面にブランドを象徴するロゴ画像や商品画像をアップロードすると代表的な色(キーカラー)を抽出し、背景やボタン、タグなどの色を自動的に設定する機能を取り入れた。

プライマリーカラーの自動抽出・設定機能のイメージ
キーカラーの自動抽出・設定機能のイメージ

初めて取引をする際にブランドとバイヤー双方の課題になりやすい“与信”については、goooodsが「初回取引分の返品リスク」を負うことで信用を補完する。

バイヤーは初めて仕入れるブランドの商品は30日間返品することが可能で、返品在庫はgoooodsが引き取る仕組み。「売れ残ったらどうしよう」というバイヤー側の不安をなくし、新規の取引を促進する狙いだ。

サービス上に蓄積される取引データは、検索エンジンやレコメンドエンジンを通じたマッチングの最適化のほか、需給予測や返品率予測、未払い率予測などへの活用を見込む。特に返品率予測や未払い率予測を通じて「取引に関する信用のモデリング」が可能になれば、従来の商慣習を変えられると菅野氏は話す。

「たとえばネットショップを運営する個人事業主は、ブランドとの接点も少なく、仕入れ時には取引条件として『前払い・買取り(在庫リスク有り)』を要求されることが多いです。これを『後払い・返品可能』とすると、世の中の多くのユーザーがよりカジュアルに『自分も好きなプロダクトやブランドを販売できる』と考え、商売に挑戦しやすくなる。goooodsを通じて新世代のブランドと、こうした新しいタイプのバイヤー像を広げていきたいと考えています」(菅野氏)

海外ではデカコーンも誕生、年内に500ブランドの参加目指す

4月から招待制のベータ版としてサービスの運営を始めてから約半年。現在はD2Cブランドやエシカルブランドを始め約150ブランドがgoooods上に参加している。

9月28日からは招待制を撤廃し、審査を経た上でブランドが自由に出品できるようなかたちで運営する方針。年内には500ブランドの参加を目指す。