近藤:当社が運営するメディアの中ではTwitterが一番影響力があります。Twitterはスナックカテゴリーにおいて、相性がものすごくいいと思っています。おかげでフォロワーは86万人を突破しました。他の広告などと違って、お客様がフォローしてくださって私たちからの情報を直接得られるので訴求しやすいです。

他にもInstagramアカウントを今年開設し、直接商品を買えるような導線を作っています。自社のECサイトもありますが、売場を変えると同じ商品でも引きが全く異なります。タッチポイントが増えることで異なる購買層にアプローチできる。引き続き、それぞれのタッチポイントで購買数が伸びる企画を検討していきたいです。

湖池屋マーケティング本部の近藤圭氏
湖池屋マーケティング本部の近藤圭氏

髙戸:湖池屋は熱狂的なファンが多いのが特徴です。Twitterのフォロワーはお菓子業界では1位のポジションにあり、メルマガ会員数も多い。実際、メルマガ会員だけで商品が完売することもあります。そんな状況を見ているので、コミュニケーションでは「ファン化」を何より意識しています。

近藤:先日はファンミーティングも開催しましたが、参加いただいた方々が、アンバサダーのように湖池屋のことをアツく語ってくれていたのが印象的でした。次の商品や味を共創したいとも思うほどです。

大槻:湖池屋にとってなぜ今、共創なのでしょうか。

近藤:理由はニーズの多様化が挙げられます。現在のポテトチップスの味付けには、塩味と一口に言っても岩塩、オホーツクの塩などさまざまな塩味があります。塩味だけでも、うすしお以外のニーズが細分化しているんです。今までやってきたような、アンケートをとって最多得票数の味を作るというものではなく、他の人が気づいていないようなニッチな味がファンによって広がっていくのをイメージしています。

大槻:横同士のつながりがあるからこそですね。

近藤:そうですね。ほかにもこんなことがありました。過去に調味料なし、じゃがいもだけのシンプルな商品を出しました。女性向けにアレンジレシピがシェアされるのではないかと期待したのですが、実際は中高年の男性から、多くの喜びの声が寄せられたんです。健康志向でポテトチップスの塩分が気になって食べるのを我慢していた人たちに商品の価値が刺さったというわけです。

このようにSNSを含めてタッチポイントが増えていくと、お客様の反応や声がよく聞こえるようになります。私たちは今後それら一つひとつを大切にしながらコミュニケーションをしていきたいと考えています。