「僕らは建築や金融、テクノロジーなど、とても変数の多い事業をやっています。この変数を全部コントロールするのは結構ハードルが高い。2021年時点で7名だったメンバーも今月80名に増え、10倍ぐらいに組織も拡大しましたが、極めて変数が多い事業なので、それ自体がモート(障壁)になっているのではないでしょうか」(濱渦氏)

濱渦氏は、NOT A HOTELのこれまでの成長には、偶然の幸運も大きかったと語る。

「コロナ禍の下でこの領域にチャレンジするところはスタートアップも含めて少なかったですし、大手ではテクノロジーへの投資が難しい部分もあります。また、コロナ後の一時期のバブルがはじけた今、資金調達がこの半年ほどは難しくなっているということも、モートになっている。タイミングよく、国定公園の土地が使えることになるなど本当に偶然が重なっていて、僕自身、もう一度再現しろと言われても、再現できないです」(濱渦氏)

一方で「ここからもう一段階、桁を変えて販売していく必要がある」と決意も表している。「(着工より前に)販売がされているので、着地点は比較的見えやすいモデル」として、事業開始初年度の売上は50億円、利益は数億円を見込む(※)。目標としては5年で累計1000億円を売り上げ、利益100億円を目指すと濱渦氏は語っていた。

※訂正:初出時から「初年度」を「事業開始初年度」に、利益額を「数億円」に訂正しました。