持てるリソースは最大限活用すること

また、「CTOを迎えたいけど、誰を採用すればいいかわからない」というケースの悩みもよく耳にします。シードやアーリーステージのスタートアップであればネットワークもないので、人の探しようもないと思います。

その際、自分がよくお伝えしているのは「とにかく株主に甘えること」です。「●●さん、知ってる人いないですか?」「いいエンジニアいないですか?」と、しつこく何百回でも聞いたほうがいい。頼れる株主であれば誰か紹介してくれますし、目星がつかなければ「うちの投資先がCTOを探しています」とSNSで拡散してくれるはずです。株主のSNSに具体的に記載できるように、役割を整理しておくと世間の関心も惹きつけやすくなります。持てるリソースはすべて駆使すること。あらゆる面で「可能性を閉じない」というのがCxO採用のキモかもしれませんね。

フェアな候補者アサインを

最後に、忘れがちですが大切な話をしたいと思います。「外部からの採用」に熱くなりがちな組織で抜け落ちてしまう視点が「社内からのアサイン」です。

前回の連載で触れたHRBPの大切な役割は、「事業成長に資する」ことです。そのポジションに誰がアサインされると事業成長の可能性が高まるのか。社外人材がまぶしく見えてしまうあまり、社内人材の可能性を限定的に見てしまうバイアスがかかりがちになってしまう話を耳にします。社外ばかりに目を向けるのではなく、複数の視点を持ち、社内外を含めてフェアな目線で重要な役割を担う「CxO」のアサインを決めていきたいですね。