今後に関しても、引き続き株式交換やストックオプションは活用していきたいと考えています。

及川:上場後はM&A戦略も変わってきますか? これまでグロースフェーズの会社を買うケースが多かったと思いますが、より規模の大きな会社をドーンと買うスタイルに変えていくといったことはありますか。

十河:M&Aはやはり、上場準備期間中は控えざるを得なかった部分があります。ここからは攻めていきたいです。

とはいえ、上場企業としては当然、リスクもコントロールしながら一歩一歩着実に成長させていく責任がありますから、M&Aを考えるうえでもその観点は重要です。一方で中長期視点での勝負も必要だと思っています。当社がビジネス展開している東南アジアやインドは、向こう10年、20年伸び続ける市場だと思っていますし、個人的にもいずれは大型M&Aも活用したいという気持ちがあります。

もしリクルートがIndeedを買っていなかったら、META(当時はFacebook)がInstagramを買っていなかったら……と想像すると、当時大きな決断をした経営陣の目利き力を改めて感じます。AnyMindもアジアを代表する企業になっていくためには、どこかで思い切った判断が必要な場面が出てくるかもしれません。そのタイミングに備えて、今後もさまざまな角度から脳内シミュレーションをしつつ、経営力を磨いていきます。