“免許やヘルメットが不要なルール作り”を要望

電動キックボードは現行法上では原動機付自転車(原付)として扱われる。公道で走行するには、国土交通省が定める保安部品を取り付け、原動機付自転車登録をし、免許証を携帯する必要がある。そこでマイクロモビリティ推進協議会では下記のとおり、“電動キックボードに即したルール作り”を要望した。

  • ヘルメットの着用は任意 
  • 低速制御下(10〜15km未満)での自転車歩行者道の走行
  • 車道走行における適切な速度を設定
  • 運転免許不要による走行
  • 電動キックボードの実態に即した保安基準の設定
  • ナンバープレートに代わる機体識別方法
  • 適切な保険制度

運転免許が必要な場合は、観光地などで外国人の利用を想定すると、ほとんどの人がサービスを利用できない。そして現状、ヘルメットを所有するのは原付やバイクユーザー意外には少なく、さらには既存のナンバープレートは電動キックボードに適したサイズではない。そのため、「電動キックボードに即したルール作りが必要だ」と岡井氏は言う。

今回のマイクロモビリティプロジェクトチームには、議員や岡井氏のほかにも、警察庁、経済産業省、総務省、財務省、そして内閣府の関係者も出席した。

記者は参加者と協議会との質疑応答の際に退室を求められたが、Luupの広報によると、ヘルメットや運転免許を任意化するという要望について、安全性についての懸念の声は挙がらなかった。今回の要望はヘルメットや運転免許に関する最初の議論をするために、それらを任意とする緩和を求める内容だったからだという。協議会では、ヘルメットや運転免許の必要性について、今後の実証実験で検証していきたいと考えている。

10月下旬に開始した実証実験は2021年3月末に終了する。来春以降の予定は発表されていないが、MaaS議連の関係者によると、4月から新たな実証実験が開始することが決定しているという。