また自らブランドを立ち上げる以外にも、令和時代のインフルエンサーの稼ぎ方ではより堅実に、オンラインサロンやLINE@を通して、自らのインフルエンサーとしてのノウハウを販売するタイプも登場しているほか、タレント事務所に所属し、雑誌モデル・ファンミーティングなどの活動を本格的に行うタレントタイプのインフルエンサーも存在する。

こうした3つのインフルエンサーに共通していることは、D2Cやサロンビジネスではなく、YouTubeの広告収入を定常的なマネタイズ手段にしているということだ。

実際、相場で言えばInstagramの案件報酬よりもYouTubeの広告収入の方が多いのが現実だ。例えばFinTの社員で、プライベートでYouTubeとInstagramを運用しているメンバーの場合、Instagramの報酬は1案件あたり2500〜5000円ほどで、これを月に3〜4回やったとして、報酬は最大でも2万円程度だ。

それに対し、チャンネル登録者数約3万人のYouTubeで月3〜4本アップした場合、広告収入は8〜10万円ほどになる。Instagramの報酬とYouTubeの報酬を比べるとその差は歴然だ。インフルエンサーはYouTubeという“固定給”で足場を固めながら、企業の広告案件や新たなビジネスで稼ぎを得るという、いわゆる2階建てのビジネスモデルを構築している。

企業に求められるインフルエンサーとの「協働」の姿勢

以上から見えてくるのは、インフルエンサーと企業の力関係が変化している、ということだ。トレンドの変化が目まぐるしく、競合アカウントの乱立も含め成熟しつつあるSNSエコノミーで、インフルエンサーは自らの求心力を維持しながら持続的な収入源を常に探しているように見える。

インフルエンサーとタッグを組む企業は今後、ギフティング(PR投稿)依頼にとどまらず、インフルエンサーの趣向を尊重したクリエイターサポートが必要になってくるだろう。

今や消費者に対しマス広告よりも影響力を持つ彼らのインフルエンス力の“次の活用法”を、企業も同じ目線に立ち、誠実なパートナーとして共に模索する必要があるのではないだろうか。