SPICYは9月9日、スキルアップや資格取得のためではない、趣味としての知識、人生を豊かにする智恵を得られるオンラインのカルチャーセンター「Classmate(クラスメイト)」を開始したことを発表した。同社は先日、ANRIをリード投資家として、サムライインキュベートのほか、国内外の個人投資家から総額約1億100万円の資金調達も実施している。

オンラインのカルチャーセンター「Classmate」
オンラインのカルチャーセンター「Classmate」

セレブ向けオンライン講座「MasterClass」の日本版を目指すも、事業をピボット

Classmateは自宅に届くオリジナルの教材をもとに、4〜7人で構成されるクラスのメンバーと一緒に月3回のオンラインレッスンを受講するプラットフォームだ。

ローンチ時は「コミュニケーション理論」と「はじめての株・投資」、「ファッションコーディネート」の3つのコースが用意されている。価格は1コースあたり月額6050円。そのほかに教材費として2600円(いずれも税込)がかかる。今後、サービスの拡大とともに提供するコースの種類も増やしていく予定だという。

そんなClassmateを立ち上げたのは、動画制作会社・ONE MEDIAでニュースメディアの編集長を務めていた経験を持つ疋田万理氏だ。

もともとは「アクションにつながるような情報を届けること」を軸に動画の制作をしていたが、途中で追い求めるコンテンツの方向性の違いから2019年5月にONE MEDIAを退職。その5カ月後の2019年10月に疋田氏は現在の会社を設立した。その2カ月後の2019年12月には第一子を出産した疋田氏だったが、子育てと同時並行で当初はONE MEDIAでの経験をもとにNHKやTBS NEWSの動画コンテンツ、企業の動画広告などの制作を行った。

いわゆる動画コンテンツの受託制作会社としてスタートを切ったSPICY。だが、コロナ禍でテレビ局での収録も厳しくなり、制作できる動画コンテンツの幅が狭まっていったことから、疋田氏は新たに自社事業の立ち上げを決意する。

「もともと、受託制作をずっと続けていこうとは思っていませんでした。ちょうど2020年の12月頃には子育ても落ち着きを見せはじめ、また周りにはコロナ禍をきっかけに新しく事業を立ち上げる人たちもいたので、私も『新しいことに挑戦しよう』と思ったんです。それで自社の事業アイデアを出していった結果、教育事業に行き着いたんです」(疋田氏)

まず、疋田氏が目をつけたのがセリーナ・ウィリアムズのテニス教室など、セレブが教えるサブスクリプション形式のオンライン講座「MasterClass(マスタークラス)」だった。「最初はMasterClassの日本版をつくろうと思った」という疋田氏だったが、サービスの詳細を考えていくうちに、日本でのMasterClassの需要に懐疑的になる。