星野リゾート代表 星野佳路氏Photo:Masato Kato
*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2024」の「Visionary Leader 『新しい時代の生き方、働き方』」を転載したものです。

コロナ禍が過ぎ「新しい時代」が始まろうとしている。これから社会に出る若者たちは、どんな働き方を目指し、何を指針として会社選びをすればいいのか。希望と共に不安を抱いている就活生や親は多いだろう。前編に続き、「リゾートの革命児」と呼ばれる星野リゾート代表・星野佳路氏が、これから社会に出る就活生に向けて、理想のキャリアを実現するための指針を語る。(取材・文/柳沢敬法 撮影/加藤昌人)

「やりたいこと」より
「できること」を知る

——コロナ禍を経て迎える新しい時代、学生が社会に出て有意義なキャリアを積むためには、どのような心構えが必要でしょうか。

 まず「自分ができることを知る」という意識が大切です。もちろん「自分が何をやりたいか」も重要ではありますが、必ずしも「やりたいこと=できること」とは限りません。「やりたいことはこれなんだけど、自分が貢献できるのはこっち」というのは、よくあること。就職後、「自分は会社やチームに貢献できていない」と悩む人は、その点を間違えていることもあると思います。

——確かに、学生時代は「何がやりたいかを見つけることが大事」と考えがちかもしれません。

 やりたいことを伸ばすのもとても大事で、それを否定しているわけではありません。しかし就職した途端、そこで問われるのは「今すぐ何で貢献できるのか」ということなのですね。なぜなら、それがその会社における「自分の役割」であり、「自分がいることの価値」にほかならないからです。

 そのため、就職活動に臨むときは、やりたいこと以上に「自分が一番できることは何か」「その会社で、自分が一番貢献できることは何か」を自らに問い、その観点から自分をアピールすることがとても大事だと思います。