「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第3弾は「新しい時代のインフラを支える業界」として、「鉄道業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)
非鉄道事業で採用増の可能性
コロナ禍で通勤、通学、観光といった外出の機会が減ったことで、鉄道業界は逆風にさらされた。ホテルの売却などリストラも余儀なくされたが、最近では外出の機会が増えて需要がかなり戻ってきており、明るい兆しを見せている。
今後は人口減少で利用客数が減ることが予想されるため、「鉄道各社はこれから非鉄道事業に活路を見出している」(東海東京調査センターシニアアナリストの金井健司氏)という。
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マンションや一戸建て、駅ビルやオフィスビル、沿線開発(街づくり)といった不動産開発は特に手堅いビジネスで、それらに関する人材ニーズは依然として高い。
例えば、東武アーバンパークラインとつくばエクスプレスが交わる「流山おおたかの森」(千葉県流山市)は、街づくりの成功事例としてよくメディアで取り上げられている。住宅街として人気が高まり、生活のクオリティーを求める若年層の移住が増えたからだ。
もう一つ、非鉄道事業の注目事業としてリテール(小売り)ビジネスがある。分かりやすいのが駅ナカの商業施設だ。
そこで重宝されるのは、スーパーバイザー、商品開発、店舗開発といったリテール事業に特化した能力を持つ人材だろう。
今後、不動産開発とリテールビジネスの二つを軸とした非鉄道事業での採用が増える可能性が高いとみられる。