「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第1弾は「新しい時代の人をつなぐ業界」として、「公務員」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)
学生が志望する
三大人気職種とは
公務員の仕事は、地方公務員なら市民の窓口対応や納税の確認など、国家公務員なら政策の取りまとめや国会対応など、多岐にわたる。
「営利目的ではなく社会や地元に貢献したい、また行政の立場で主導して町おこしに携わりたいといった、やりたいことが明確な志望学生が多い」と、立教大学キャリアセンターの藤澤瞬氏は話す。
書類審査や面接が重視される民間企業に対し、公務員は筆記試験が重視される職種が比較的多いこともあり、勉強した結果を公平に評価されたいという学生が目指すケースもある。
最近は「子育て支援」「貧困家庭を支援する子ども食堂」「防災関係」の三つが、学生の志望動機のほとんどを占めるという。
藤澤氏は、こうした現象について「子育てや貧困が社会問題として学校の授業で扱われる機会が増えたり、自然災害の増加で防災意識が高まったりしていることに関連しているのだろう」と分析する。
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生活目線の仕事が注目されていることもあってか、立教大学から公務員を目指すのは女性の方が多い(学生の男女比率はほぼ5対5で同じ)という。また国家公務員より地域貢献をしやすい、地方公務員が人気化する傾向にある。
ただ、そうした学生ほど民間企業との併願が多く、民間志向も強いのが特徴だ。就職活動は社会の仕組みを知る貴重な機会。公務員志望の人は試験対策ばかりでなく、自分が目指す分野に関わる民間企業も研究することをお勧めする。