新型コロナウイルスの世界的流行をきっかけに、在宅勤務は5倍に増加した。恐らく米労働市場で第2次世界大戦後に起きた最大の変化だろう。米国のあらゆる管理職の頭を悩ませ、不動産や出張を扱う業界を変貌させ、都心から郊外への集団移動を引き起こした。在宅勤務はすっかり定着し、少なくとも週に数日のみ出社するハイブリッド勤務という形で広く普及した。詳細な調査データをみると、在宅勤務は2020年から22年にかけて急速に後退したが、23年初めには落ち着き、その後ずっと横ばいが続く。ハイブリッド勤務は全米の何百万人もの知的労働者や管理職にとって「新常態」となった。そろそろ在宅勤務の影響を総括してよい時期だ。24年以降を見据え、この革命の最大の勝者と敗者は誰なのかを考えよう。