メディアなどで見るサウジアラビアは、 お酒が飲めなくて、女性が運転できるようになったばかりで、とにかく保守的といった描かれ方をされています。しかし実際に足を運んでみると、女性ドライバーがたくさんいるし、お酒を飲めるところもたくさんある。非常にオープンで革新的な側面もあり、 ドバイを訪れたときと同じような感覚でした。
こうしたギャップこそがビジネスのヒントであり、 ギャップを見ることができた時に結果として、それが儲け話ということになるのです。
それでは現地に行った時にどんな点に注目して街を見ればいいのでしょうか。それは冒頭でも触れたように「ヒト・モノ・カネ」 です。 より具体的には、現地の人の話。 例えば「この町は1年前とは全く違う」 と現地の人が実感するレベルで変化しているのであれば、「ヒト・モノ・カネ」の集まり方が尋常ではないと判断することができます。他にも、 クレーンの数も参考にしたりします。 去年よりも減っていれば、 今年は 去年ほど 景気がいいわけではないということが分かります。
実際に「ヒト・モノ・カネ」の集まり方が他の地域とは一線を画すエリアがあります。 それはヨーロッパから中東を通ってインドにかかるエリアです。 少し前までは、中国が主導する 一帯一路のエリアが盛り上がっていたのですが、 今はそうでもありません。イタリアが一帯一路を離脱することを中国に伝えたという報道がありましたが、一帯一路の現場に行けば勢いのなさは明白でした。
日本の型落ちセンチュリーを
アメリカで売る
今狙っているビジネスは、「日本のセンチュリーをアメリカで売る」というものです。センチュリーは言わずと知れた日本を代表する高級車です。日本製の中古車の輸入 ルール やアメリカでの認知度の高まりを考えるとかなり売れると踏んでいます。
実は、日本の中古車は製造から25年経っていないとアメリカに輸出できないというルールがあります。 アメリカが自国の自動車産業を守るために設定したルール なのですが、 逆に言うと 25年経てば 輸出することができるのです。
では25年前の1998年に何があったかと言うと、センチュリーのモデルチェンジです。 大幅に改良された、 質の高いセンチュリーが日本にはたくさんあります。それらを少し 整備して、アメリカへ持って行ったら、200〜300万円のプレミアをつけて売ることができると見込んでいます。日本では誰も注目していないので、安く仕入れることができますからね。
それに、これまでセンチュリーを知らなかったアメリカ人も、SNS や YouTube などで情報に触れることができるようになりました。 かつては、センチュリーの情報はあっても、 それがどんな車で、 アメリカに持って来れるのか否か、 といった情報は全くありませんでした まるしかし、 YouTuber と Instagramer と tiktoker のおかげで、そうした情報 をアメリカ人も手にすることができるようになりました。「センチュリーは日本のロールスロイス」というイメージもだんだん広まってきています。
儲け話を逃さないためには、 テクノロジーを駆使する「 てこの原理」の発想で自分が手を動かさずにビジネスを進めることと、そして広く浅い情報収集と一次情報とを組み合わせて「 ギャップ」を見つけることが 欠かせません。 皆さんが当たり前だと思っていることの中にも、他と比較することで ビジネスにつながることがたくさんあるはずです。ぜひ、まだ誰も見つけていない「ギャップ」にいち早くたどり着き、ビジネスとして成功させてください。
(ニウエ国首相補佐官 和田泰一)