ニウエ国の首相補佐官を務めながら、世界中でスモールビジネスを興して成功している和田泰一さん。今回はビジネスを成功させる秘訣を教えてもらいました。重要なのは「頭の良さ」や「頑張り」ではなく、まさかの「他力本願」。さらに、ビジネスチャンスは私たちの日常に転がっていると言います。ビジネスチャンスの見つけ方は何ともローテクな方法でした。最後に今狙っているアメリカでのビジネスについて具体的に教えてもらいました。
「他力本願」はビジネススキルだ
前回の記事では、セグウェイの個人輸入やハワイの不動産で儲かったという話をしましたが、その他にも様々なビジネスに取り組んで利益を上げてきました。例えば、元祖 メタバースとして最近名前がよく上がる「セカンドライフ」でもビジネスをしていました。
4~5年ぐらい取り組んだと思います。当時の楽しかった記憶そのままに、ニウエでもリアルなセカンドライフをしている感覚です。
初期の頃から手をつけていて、 メタバース上に家や土地を作って企業に売っていました。広い土地に立派な家を建てたり、執事をつけたりして高級住宅街を作って付加価値をつけたのです。「メタバースにも格差が」などと言われて話題になりました。実際、企業が高い値段を払って購入していくので、相当儲かりました。
こうしたビジネスの芽を見つけて、稼ぎに繋げるために重要な2つの視点があります。それは「てこの原理」と「ギャップ」です。
「てこの原理」とは、前回の記事でお話したように「最小の労力で最大の成果を生み出そうという頭の使い方」のことを指します。端的に言うと、テクノロジーを使ってアウトソーシングすること。自分でやらないことで、自分の興味のあるあらゆることに時間と労力をつぎ込むことができます。
「ギャップ」は、ヒト・モノ・カネに関して実態と認識のズレのこと。「みんなは1だと思ってるけど、実際は10」というイメージです。ここに設けのヒントが隠れています。 このギャップの見つけ方には、方法論があって誰でも真似することができるものです。
それでは、初めに「てこの原理」をビジネスに転用する方法についてご紹介します。イタリアで ラーメン店を開くとします。 昔であれば、イタリア語を習って、 イタリアのビジネスについて学び、ラーメンの作り方を勉強して、出店する物件も自分で探して、お金も調達する。 これらを自分自身で行う必要がありました。 お客さんを探すのもすべて自分。
しかし今はどうでしょう。 イタリアでラーメン店を開くことを SNS に載せれば、 「ラーメン 作れますよ」 とか「イタリアで日本食 やりたかった」とか「 イタリア語 話せます」 という人がすぐに見つかりますよね。 英語で発信すれば 現地の人とも繋がることができる。
よく「人を惹きつける力」ということが言われますが、現在はテクノロジーによって それらが 可視化されている時代ということもできますね。
前回の記事でもお伝えしたように、 私は学生時代から英語の論文をアウトソーシングして、 ネイティブだとバレないように微調整して提出するというようなことをしていました。そのこと自体の是非は別として、「他力本願」という思考が10代の頃から根付いていました。なるべく楽をして大学に入学しようと、 帰国子女になるために高校でアメリカ留学を決めたのも「てこの原理」です。
「 自分の力でやる」とか「一生懸命に頑張る」ということを否定するつもりはありません。ただ、ビジネスで成功したい、儲け話を逃したくないという観点で考えると、テクノロジーを駆使することで、なるべく自分の手を動かさないことが重要になるのです。