日本銀行の政策金利は、四半世紀に渡りゼロ近辺で推移してきた。ようやく金利のある世界も見えてきたが、そのとき、企業への貸出金利はどう上がっていくのか。特集『金利で明暗! 銀行絶望格差』(全16回)の#11では、金利上昇の基本的なメカニズムと変動要因を解説する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
知られざる貸出金利のカラクリとは?
金利上昇の流れを「超」解説
「貸出金利に銀行の戦略が入り込む余地はほとんどない。機械的に決まる部分が大きいからだ」
貸出金利の戦略についてメガバンクの行員に問うと、十中八九、このような答えが返ってくる。
2024年は、日本銀行がマイナス金利やゼロ金利の解除に踏み切るとの見方もある。銀行にとってこの状況が追い風なのは、企業に融資する際の貸出金利が上がることで、同時に利ざや(貸出金利-預金金利)の拡大も見込めるからだ。
とはいえ本来、貸出金利は銀行が自由に決められるはずだ。
にもかかわらず、貸出金利は半ば機械的に決まるとメガバンクの行員が断じるのはなぜか。次ページではその理由について、知識ゼロから理解できる図解を基にお届けしよう。