実質GDP成長率見通しは+1.3%
だが、不確実性は大きい
2024年は、元日に能登半島地震が起きるなど波乱の幕開けになったが、日本経済はどのように推移するだろうか。
23年はコロナ禍からの「インバウンド」回復や半導体不足が解消した「乗用車生産」と「サービス消費」などの経済正常化で、実質GDP成長率は+2%程度だったとみているが、24年は+1.3%になると大和総研では見込んでいる。
地震による影響は現時点では読み切れないが、昨年の経済正常化による「伸びしろ」はまだ残っているからだ。政府の総合経済対策やコロナ禍以降、大幅に積み上がった家計貯蓄(現預金だけでも19年末から23年9月末にかけて105兆円増加)なども景気を下支えするだろう。
企業の価格転嫁は進みやすくなり、消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年比+2.6%と高止まりする見込みで、春闘の賃上げ率も高い伸びが見込まれる。
だが、このシナリオは不確実性も大きい。シナリオ実現には5つのことが鍵になる。