男性中心、残業が多いなど、「きつい」というイメージを持たれがちな鉄鋼業界は、人材を確保するのに苦労している。伝統ある企業の代表格である日本製鉄の現在の企業体質はどうなっているのか。特集『進撃の日本製鉄』の#5では、社員の“生の声”を紹介しながら、日鉄の組織風土を解明する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
昭和的なイメージの鉄鋼業界
実態はどう変わった?
男性比率が高くなりがちな製造業の中でも、鉄鋼業は特にその傾向が顕著だ。そのため、男性中心、体育会系といった印象を持たれがちで、近年は就職人気が伸び悩んでいるという。
鉄鋼大手幹部は、実情をこう語る。
「昭和的な社風で仕事がきついというイメージがあるのか、鉄鋼業界は就活生に人気がない。積極的にテレビCMを流しているのは、少しでも認知度やイメージを高めるためだ」
確かに最近では、日本製鉄(日鉄)だけでなくJFEや神戸製鋼所などのテレビCMも放送されている。視聴者に好印象を与えようと、各社が趣向を凝らしていることが分かる。
しかし、いくらイメージが向上しても、実態が「昭和的」であれば、社員がギャップを感じてしまい、やがて退職しかねない。
では、「昭和企業」のレッテルを貼られがちだった日鉄の体質は、今ではどうなっているのか。
次ページでは、就職・転職のための情報サイト「OpenWork」に投稿された日鉄社員の“生の声”を紹介しながら、日鉄の組織風土を解明していく。