老害か!?賢人か!? 独裁経営者・実名ランキング #1Illustration by Mithuru Tokishiro

上場企業のトップに半世紀以上君臨する経営者は、国内に7人存在する。従業員の100倍以上の年収なのに株価は低迷、人望もない社長・会長は一体誰か――。特集『老害か!?賢人か!? 独裁経営者・実名ランキング』(全8回)の#1では、ダイヤモンド編集部が経営者の独裁度を独自試算し、ランキング上位者の正当性も個別に評価して問うた。独裁度では、キヤノンやファーストリテイリングのトップが上位にランクインしている。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

上場627社の経営者「独裁度」を徹底評価
株価、人望で「経営者の正当性」も明示

 上場企業なのに天下り官僚が長年トップに君臨し、公私混同で経費を湯水のように使いまくる。仕事と称して女性と混浴を繰り返し、揚げ句の果てに社長を解任される――。

“中興の祖”とたたえられ、偉大な経営成績を残したのに、90歳を過ぎてなお代表権にしがみ付き、株主総会の選任で自身の賛成率を落としてしまう――。外部から何人も社長候補を招いては、首のすげ替えを繰り返す――。近年、高齢経営者の独裁的な振る舞いが目に付く。

 ただ、企業にとって、独裁は必ずしも悪いものとは限らない。古代ギリシャの哲学者、プラトンが評価したように、強力なリーダーシップを振るい、独創的な発想力と決断力で企業を成長させ続けているなら、それは“賢人”による経営と呼べるかもしれない。

 だが、長年トップに居座り続けた結果、経営を悪化させているようなら話は別だ。それは“老害”でしかないだろう。

 ダイヤモンド編集部は、上場企業627社の代表取締役会長・社長を対象に、トップに君臨する年数や、従業員との年収格差などを基に、経営者の「独裁度」で実名ランキングを作成。さらに、株価や社内での人望の厚さから、経営トップに居続ける正当性があるかどうかについても、定量的な評価を試みた。

 独裁度、「経営者の正当性」は、それぞれ100点満点。著名経営者では、キヤノンの御手洗冨士夫氏やファーストリテイリングの柳井正氏が、独裁度で上位15人の中に入った。

 ランキングの上位は75歳以上だらけという結果が出た。さらに「トップ君臨年数」を確認すると、半世紀以上もトップに居座っている御仁が7人もいた。

 中には長年、経営にしがみつくも、「会社を解散した方がまし」「従業員の人望がゼロ」というレベルの成果しか出していない“老害”トップも少なくなかった。

 50位まで目を広げれば、日清食品ホールディングスや日本電産、SBIホールディングスや三井不動産といった、有力企業のあの大御所がランクインしている。

 あなたの会社や取引先のトップは、独裁度で果たして何位?経営者の正当性は保てているだろうか。「独裁経営者」ランキングの詳細を見ていこう。