驚くほど好調だった1月の米雇用統計が謎を投げかけている。経済がこれほど急速なペースで雇用を生み出しているのなら、雇用主はその人材をどこで見つけているのだろうか。米労働省が2日発表した1月の就業者数は、季節調整済みで35万3000人となり、エコノミスト予想のほぼ2倍となった。前月・前々月の雇用増も計12万6000人分、上方修正された。これにより、過去3カ月の就業者数の増加は月平均28万9000人となり、昨年第1四半期以来最も早い雇用創出ペースとなった。平均時給は前月比0.6%上昇し、前年同期比4.5%増となった。失業率は3.7%の低水準にとどまった。1月31日に米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が3月の利下げの可能性は高くないと発言して以来、同月に利下げに踏み切る可能性はすでに低くなっていたが、今や実質的にゼロになった。インフレは沈静化しているが、1月のように力強く雇用が伸びると、強すぎる労働市場が企業の人件費を高騰させるという懸念は残る。
米雇用の謎 新規就業者はどこから来た?
政府統計の食い違いは、これまで考えられていたよりも雇用を増やす余地があることを意味する
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