高配当&高成長!新NISAで狙う日本株#5Photo:gremlin/gettyimages

ソフトウエアテストの事業を主力として、急成長を遂げてきたのがSHIFTだ。一方で直近の第1四半期(2023年9~11月期)決算では、増収も最終減益となるなど足踏みする展開。特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の#5では、その苦戦の理由を明らかにするほか、同社を分析するアナリストの見解を基に、中長期的な強さが揺らいでいないのか点検する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

大型成長株ランキングで2位に
SHIFTが直面する壁の正体とは?

 増収増益トレンドが続く、よりすぐりの大型成長株を紹介したのが、本特集#3『新NISAで狙いたい「大型成長株」ランキング!【全50社】3位レーザーテック、1位は?』だ。日本でも有数の有望株が顔をそろえたこのランキングで、堂々の2位に入ったのが、ソフトウエアテストを主力とするSHIFTである。

 破竹の成長ぶりは、下図を見れば一目瞭然だろう。開発したソフトウエアが、仕様書で求められている通りに機能するかチェックするソフトウエアテストというニッチ分野で需要を捉え、過去10年の平均増収率は約50%という驚異的なペースを誇る。それに伴い、SHIFTの株価も上昇基調で推移。足元では、5年前比で約6倍の水準にあり、今や時価総額は5000億円規模の会社となった。

 一方で、直近の動向は気掛かりだ。株価は、昨年末に3万6000円台の上場来高値を付けて以降、1カ月足らずで3割ほども急落。その後は持ち直したものの、不安定な相場付きとなっている。

 大幅安を誘発したのは、同社の今期第1四半期(2023年9~11月)決算だ。売上高は前年同期比3割増だったが、過去のペースから比べれば物足りない。しかも、純利益は同11%減と、2桁もの最終減益に見舞われたのだ。会社側は「一時的な需給ギャップ」という表現で説明したが、本当に高成長を揺るがす事態は起きていないのか――。

 SHIFTのようにハイペースで成長してきた銘柄は、期待が大きい分、減益ともなれば激しい売りを浴びやすい。もっとも投資時の目線で重要なのは、強さの源泉が失われていないのかを見極めること。特殊要因や一時の不調にすぎなないのであれば、やがて業績の回復とともに、長い目で見れば株価も勢いを取り戻すのが市場の常だからだ。

 では、同社は業績を従来のような成長軌道に再び乗せられるのか。次ページでは、SHIFTを分析するアナリストの見解を基に、先行きを展望する上で鍵となるKPI(重要業績評価指標)に焦点を当てながら、第1四半期決算が不調だった理由を分析。さらに、「売上高2000億円」という中期目標の前倒し達成が黄信号の理由、同社の強さの源泉は保たれているのかなどを深掘りし、点検していく。