日本の半導体関連銘柄の株価上昇が、日経平均株価の最高値更新に大きく貢献した。半導体チップでは競争力を失った日本だが、チップを製造するための材料や装置分野では、いまだに日本企業の存在感は大きいのだ。特集『狂騒!半導体』(全18回)の#15では、15の製造工程において強みを持つ「材料・装置メーカー29社」を図解で紹介するとともに、日本企業が誇る「4大ポイント」を分かりやすく解説する。(ダイヤモンド編集部編集長 浅島亮子)
半導体チップメーカーは凋落したが
材料・装置メーカーの実力は健在!
かつて世界一を誇った日本の半導体が凋落したといわれて久しい。でもそれは、最終製品である半導体チップのことである。チップを製造するための「材料」や「装置」の分野では、まだまだ日本企業が競争力を発揮できている。
実際に、株式市場における国内半導体関連企業の評価は高い。2月21日、生成AI(人工知能)向け半導体で世界一の米エヌビディアが好決算を発表したが追い風となり、日本の半導体銘柄にも買い注文が殺到。日本株の上昇機運をもたらし、半導体関連株が日経平均株価の最高値更新に大きく貢献した。
日本の材料・装置メーカーの実力は折り紙付きだ。
米中対立の激化が引き金となり、西側諸国は戦略物資となった半導体の安定調達を確保しようと半導体サプライチェーンの強靱化を急ぎ、対中国包囲網を築いている。
折しも、サプライチェーンの中で“設計”に強い米国と“量産”に強い台湾が、揃って日本を国際協業のパートナーとして選んでいる。米国主導で日米韓台の「チップ4」構想が推進されたり、台湾TSMCが熊本へ進出したりする背景には、日本と材料・装置で連携したいという思惑があるのだ。
それでは、日本が誇る半導体技術とはどのようなものなのか。次ページでは、15の製造工程において強みを持つ「材料・装置メーカー29社」を図解で紹介するとともに、日本企業が強い「4大ポイント」を分かりやすく解説する。