投資家が期待する利下げ回数が多すぎるか少なすぎるかは、どの時間軸で見るかによる。1月の米消費者物価指数(CPI)が発表されると、先進国の中央銀行がインフレとの戦いであと一歩のところで手こずるとの懸念が広がり、株式と債券が売られた。だが慌てるのは早い。株にとっては、金利よりも米経済が予想外に好調であることの方が重要だ。実際、株価はすでにマイナス分をほぼ取り戻した。一方、債券にとっては金融政策見通しの方がはるかに重要だ。投資家は現実離れしていた。CMEグループによるデリバティブ(金融派生商品)取引の分析によると、投資家はわずか2週間前、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に借り入れコストを引き下げ始めると確信し、66%の確率で年末までに0.25ポイントの利下げが少なくとも6回実施されることを織り込んでいた。当局者が市場の楽観論にくぎを刺そうとしても無駄だった。
長期債、利下げ少なくても買うべき理由
金利政策への期待、長期債はまだ悲観的過ぎる可能性
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