2021年に営業を開始して以降、右肩上がりの成長を遂げてきた朝日生命保険傘下のなないろ生命保険。そのなないろ生命の石島健一郎社長が、24年4月に親会社である朝日生命保険の社長に就任する。また、なないろ生命の後任社長に就任するのは、かねて代理店事業本部長を務めた経験のある諸橋武・朝日生命執行役員。その両名に、今後の方針について本音で語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
子会社のなないろ生命の石島社長が
親会社の朝日生命社長に大抜てき
1月24日、朝日生命保険の子会社であるなないろ生命保険の石島健一郎社長が、4月1日付で朝日生命の社長に昇格する人事が発表された。
なないろ生命は2021年4月に設立され、同年10月に営業を開始したばかりの新しい生保だ。そのミッションは、生保各社がしのぎを削る乗り合い代理店市場でのシェア獲得だ。
そのなないろ生命の業績は、大方の予想に反して右肩上がりを続け、乗り合い代理店市場で一定の存在感を示すに至った。しかも、新契約の業績は親会社に匹敵するほどで、朝日生命グループの業績拡大に大きく寄与するまでになっている(下図参照)。
朝日生命の現中期経営計画は今年度が最終年度となるが、目標は達成できる見込みだ。その中計の一つの柱がマルチチャネル戦略であり、なないろ生命の成功が中計達成に大きく貢献したことは間違いない。それ故、朝日生命の次期社長として石島氏に白羽の矢が立ったといえるだろう。
もっとも、なないろ生命が業績を拡大してきた乗り合い代理店市場と、自社に所属する営業職員を主体とした朝日生命とでは、根本的にビジネスモデルが大きく異なる。そうした中で、石島新社長は朝日生命をどのようにかじ取りしていくのか。
また、石島氏に代わってなないろ生命の社長に就任するのは、朝日生命執行役員で石島氏と同期の諸橋武氏。かねて代理店事業本部長を務めた経験のある諸橋氏だが、石島氏からバトンを受け取ってどのようになないろ生命を引っ張っていくのか。
次ページでは、石島氏と諸橋氏の両名に、今後の方針について“本音”で語ってもらった。