そして、冒頭の質問に戻ります。最終的には「ゆるい会社」か「厳しい会社」かは自分のキャリア観で選ぶことになります。転職を考え、次のステップに行くつもりなら、厳しい会社や資格取得を求める会社は「お給料をもらいながら自分が成長できる会社」「成長の機会を与えてくれる会社」と考えることができます。資格の勉強も資格取得のための費用も、全部会社持ちだからです。
逆に、あまり目標達成について厳しく言われない会社、仕事の内容がさほどハードでない会社の場合は、自分の自由にできる時間がたくさんあるぶん、成長したければ自己啓発のために自分でお金を投資する必要があります。
「ゆるい会社か」「きつい会社か」は
結局、あなたの生き方次第
いずれにしても、本人が何をどう活用しようとするかです。会社の仕事が忙しい場合は、仕事のハードさや短時間で高い成果を出す経験などを成長機会として活用すればいい。厳しくない会社で自分の時間がたくさんあるなら、その時間を今の会社と全然違う仕事をするための勉強に使ってもいい。
そして、自分の時間がたくさんある会社を選ぶなら、もちろん成長以外のことに使うのだって本人の自由です。仕事での成長は確かに人生にとって重要ですが、「年収は上がらないけれどストレスのかからない生き方」も選択肢の一つです。組織に縛られず、会社で費やす時間は必要最低限にして、趣味やボランティアや家庭を大切にして生きるという人生が合っている人もいます。
まず自分が何を求めているのか、どういう生き方をしたいのかを考え、そのうえで「ゆるい会社」か「きつい会社」かを含め、会社は社員に何を求めているのかをきっちり整理して、自分に合う会社を選ぶことをお勧めします。
(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局長 福重敦士、構成/ライター 奥田由意)