1月も消費者物価2%上昇、実質GDPは低迷
定義どおりのスタグフレレーション
日本の消費者物価上昇率は、一時よりは低下したものの、依然として高い。
2024年1月の生鮮食品を除く総合指数の前年同月比は2.0%だった。日本銀行も現在の状況はインフレーションだと認めている。
他方で、23年10~12月の実質GDP(国内総生産)速報値(1次)は前期比0.1%減(年率0.4%減)となった。3月11日に公表された2次速報では、同0.1%増(同0.4%増)と修正され2四半期連続のマイナス成長は免れたものの、低迷していることは間違いない。
経済が成長せずに物価が上昇するのだから、これは定義どおりの明白なスタグフレーションだ。
日経平均株価が史上最高値を更新しつつあったことから、日本経済が新たな発展の局面に入ったという意見がある。これから新しい発展の時代が始まるという見方だ。
しかし実際に起きているのは、それとは全く逆であり、日本経済がスタグフレーションという「深刻な病」に落ち込んでいることなのだ。
春闘の主要製造業の集中回答日だった13日には、トヨタ自動車や新日本製鉄などで「満額回答」や「最高水準」の賃上げ回答が目立った。
春闘などでの賃上げが経済停滞を抜け出す糸口になることへの期待もあるが、今の状況では賃上げが“逆効果”になることもあり得る。