異次元緩和の出口に向かい
日銀は賃上げ状況を確認
3月か4月どちらかの金融政策決定会合で、マイナス金利の解除など異次元金融緩和の出口を抜けるとの見方がコンセンサスになっている。
日銀は賃金と物価の好循環が実現しているかを判断するために、春闘での賃上げ妥結状況はもちろん、中小企業の賃上げ状況などもヒアリングなどを通して慎重に見極めていく構えだ。
賃上げがまだ不十分と日銀が判断すれば、異次元金融緩和からの出口は抜けられないことになるが、そのようなことはなさそうだ。
今年の賃上げ率は高水準
マイナス金利解除は既定路線
今年の賃金改定では、30年ぶりの高い水準となった昨年を上回る賃上げが期待できそうだ。実際、昨年を超える賃上げ方針を示す企業も少なくない。中小企業まで含めると、高い賃上げを実現するのが難しい会社もあるはずだが、全体として昨年の賃上げ率を大きく下回るようなことは考えにくい。
また日銀は賃金の上昇を伴う形で、2%の物価安定目標を実現することを目指しているが、賃金上昇率の具体的な目標を掲げているわけではない。実質賃金がプラスに転じるまでマイナス金利を続けると約束しているわけでもない。