司法試験合格前から勧誘開始
四大の超“青田買い”合戦
そんな四大に新卒入所するエリート弁護士たちは、実は司法試験に合格する前から、その優秀さに目を付けられている。
四大は毎年、司法試験をトップクラスの成績で合格するような逸材に入所してもらおうと、あの手この手で勧誘活動を行っている。
重要なのは、いかに早くトップ層を囲い込むかだ。そこで四大が着目しているのが、司法試験の受験資格を得るための司法試験予備試験の合格者たちだ。
予備試験とは、司法試験の受験資格を得るための試験。司法試験を受験するには法科大学院の修了、あるいは修了する見込みがなければならないが、それでは経済的な事情などで、法科大学院へ進学することが困難な学生は、司法試験を受けることすらできないことになる。そうした人のために用意されたのが予備試験だ。
ところが、予備試験に受験資格の制限がなく、誰でも受験できるのをよいことに、多くの学生が挑戦するようになった。予備試験に受かれば、法科大学院での2年間(法学部以外の学部卒業者なら3年間)を短縮できる。その後の司法試験に合格すれば、弁護士になるまでの時間と金を節約できるからだ。
予備試験は合格率3~4%の超難関で、合格者は毎年450人程度。予備試験合格者の7割程度は、その後実施される司法試験に合格している。法科大学院修了者の司法試験合格率が20%台であることを考えると、予備試験合格者は四大が採用したいトップ層であることが分かる。
四大はそんな予備試験合格者に照準を合わせている。まだ司法試験に合格していない段階から、インターンへの招待や非公式の面談、パートナーとの昼食会やディナー面談などで勧誘を繰り返し、“青田買い”合戦を繰り広げている。