NTTデータが連続トップ
ランク外から浮上したのは?

 23年のランキングトップ3は、1位がNTTデータ、2位が楽天グループ、3位が富士通だった。NTTデータは2年連続トップで、特に政治経済学部、商学部、教育学部の学生から人気を集めているようだ。また、楽天グループの人気は、早大に限らず多くの有名国公立大、私立大で見られる。

 4位はアクセンチュアで、コンサルではベイカレント・コンサルティング、野村総合研究所、PwCコンサルティングが前年に引き続きランクインした。

 さらに、前年はランク外だったEYストラテジー・アンド・コンサルティングとデロイトトーマツコンサルティングがそれぞれ17位と20位に浮上するなど、コンサル業界の人気がさらに高まっている様子がうかがえる。

 5位は前年ランク外の東京都職員Ⅰ類が浮上。6位に国家公務員一般職、11位に国家公務員総合職など、相変わらず公務員の人気は安定しており、特に法学部からの就職が多い。また、富士通、日本IBM、日立製作所などのベンダー系も就職者が多く、理工系の強さが目立つ。

コンサルと金融
人材競争で火花を散らす

 みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJ銀行、三井住友信託銀行などの金融系企業の人気も根強い。ただし、10年前は三菱東京UFJ銀行(当時)、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行がトップ3を独占し、コンサル企業がトップ20に1社も入っていなかった。

 そう考えると、特に人材戦略において、コンサル業界が金融業界の大きなライバルとして立ちはだかっているといえるだろう。

 日本ではかつて、事業戦略や経営相談は金融業界の仕事だった。しかし、現在は、コンサル企業も経営戦略の立案や業務改善の支援など企業の成長や競争力強化に向けたサービスを提供している。そのため、金融機関から一定の市場シェアを奪っているという状況が生まれている。

 両業界とも高度な専門知識やスキルを持った人材を求めるため、優秀な人材の獲得競争が激しくなり、火花を散らしている。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2023年春の大学別の主な就職先。就職先名称は原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。東京大学は「東京大学新聞」から集計、大学院修了者を含む。(調査/大学通信)