メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#53では、第30弾として、大阪府の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
大阪府でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
りそな銀行、関西みらい銀行が倒産させた企業は何社?
4月1日、関西の金融業界に大きな動きがあった。りそなホールディングス(HD)が、関西みらい銀行(大阪府)とみなと銀行(兵庫県)を傘下に持つ子会社、関西みらいフィナンシャルグループを吸収合併したのだ。
これにより、関西みらい銀行とみなと銀行は、りそなHDの直接の子会社となった。
関西みらい銀行は2019年4月1日に、りそな系の旧近畿大阪銀行と、三井住友銀行が出資していた旧関西アーバン銀行との合併で誕生した。新銀行が発足してから丸5年がたち、また一歩再編が進んだ格好だ。
りそなHDによる直接子会社化の狙いは、意思決定の迅速化や間接部門の統合で経営の効率化を加速するところにある。
しかし、今回取り上げる大阪府は、奈良県の南都銀行や和歌山県の紀陽銀行など、近隣の有力地方銀行がこぞって営業攻勢を掛ける激戦区だ。
もちろん府内にも、ライバル地銀の池田泉州銀行や、貸出金で1兆円超の規模を誇る大阪信用金庫や大阪シティ信用金庫などの競合がひしめいている。
関西みらい銀行とみなと銀行の直接統治で、どれだけ成果を見せられるか。りそなHDの地力が試されることになる――。
経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。
メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。
今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。
メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。
第30弾の今回は、大阪府の金融機関を取り上げる。今回は都市銀行のりそな銀行に加え、関西みらい銀行や池田泉州銀行といった地銀、それに大阪信金や近畿産業信用組合など信金・信組も名を連ねた。
ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。
ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の大阪府の結果を確認していこう。