花束を受け取ったビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

今の仕事を辞めるときに大事なことは、周囲が納得するような「辞めるストーリー」を作ること。そして辞める前に「辞めようと思っている」ことを明るく周囲に話しておくこと。今年3月末で放送作家を辞めた鈴木おさむが「上手な辞め方」を提言する。本稿は、鈴木おさむ『仕事の辞め方』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

周囲の人が納得するような
「辞めるストーリー」が大事

 では、うまくいく人はどうか?まず、会社を円満に辞める。結局、辞めるまでのストーリーが大事なんですよね。自分のストーリーもそうですが、会社にとって、なぜ、その人が辞めるのか?納得いくストーリーを作ることが大事。

 会社としても大事な人ほど、辞めたことがニュースになりますし、話題になります。

 会社としてのプライドが傷つかないように、仕上げることが大事です。

 会社が彼のことを考えて、あえて辞めるという選択肢をあげたように見せるのが、とても大事かなと思います。

 なので、前の会社とのパイプを完全に断ち切るのではなく、出来れば、その会社との仕事を続けながら辞められないか相談する。その時に、会社側に求めるギャランティーはなるべく安く。今までの御恩として、やらせていただきます的な交渉をする。

 そうすると会社もプライドを傷つけられることもなく、本当の「円満」にすることが出来る。

 そしてもう一つ。頼れるものはとことん頼る。

 会社を辞めるということは自信があるから辞める人が多いと思いますが、これまで育ててきた縁をフルに使うことを格好悪いと思う人が意外といる。だけど、辞めるとなったら、頼れる人には徹底的に頼る。

 辞めるまでの間に、周囲をとことん味方につけて、大きなバックアップを得て辞める人が成功している人だなと思います。

 応援する側も、会社と揉めて辞めた人は応援しにくいですが、円満に辞めた人だったら応援しやすいですから。

 とにかく、援軍をしっかり味方につけてから辞めることが大事なんだなと感じています。

 そして当たり前のことかもしれませんが、会社とこれまで自分と仕事をしてきた人に感謝をしっかりと伝えて辞めること。

 LINEでもいいですし、可能なら手紙を書いてもいいと思います。

 ちゃんと感謝を伝えることで、辞めた後も「嫉妬されずに」沢山の人に応援される人生になるのかなと、成功している人たちを見て感じます。