訪中ビザの制限が続々と緩和するようになったが…
コロナ禍以降、訪中ビザは厳しく制限されるようになった。
しかし、23年頃からようやくそれも「改善」されるようになった。昨年11月24日、中国外交部は、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアの6カ国の一般旅券所持者を対象に、15日以内の滞在ならビザ免除措置を実施すると発表した。日本は措置の対象に含まれなかった。
また、今年2月9日には中国国家移民管理局は、海南省に入国する外国人への30日間ビザ免除措置の対象を、日本、韓国、シンガポール、マレーシア、英国、フランス、ドイツ、米国、カナダなど計59カ国に拡大した。
さらに、2月9日、中国とシンガポールが交わした「一般旅券所持者の査証相互免除に関する協定」(ビザなしで入国が可能)が発効した。
3月1日からは、中国とタイが30日以内のビザ相互免除協定(中国のパスポートと一般旅券の所持者、タイの一般旅券の所持者はビザなしで相手国に入国が可能)が、正式に発効した。
3月14日から、中国はスイス、アイルランド、ハンガリー、オーストリア、ベルギー、ルクセンブルクの6カ国の一般旅券所持者に対しても、ビザ免除措置を試験的に導入した。
厳しかった訪中ビザの制限が、相次いで緩和される方向へ動き出したのだ。
現段階では、残念ながら、日本人に対するビザ免除制限はまだ解かれていないが、日中間の交流規模の大きさと需要の緊迫さを考えると、このビザ問題はいずれ何らかの形で解決されるだろうと思う。
ビザよりもキャッシュレス化による壁が社会問題
ビザが、外交の取引や政治情勢と絡む問題だとすれば、電子決済による障壁の方が、技術的・社会的問題だと思う。
ウィーチャットペイやアリペイに代表される電子決済が発達する中国では、キャッシュレス化が猛烈なスピードで進んでいる。しかし、その進化は外国人の中国訪問を阻止する要因にもなってしまっている。
中国政府らもその問題の深刻さにようやく気付き、解決に動き出した。