小学校受験はペーパーテストだけでなく、行動観察、運動、絵画、面接など幅広い準備が必要になる。家庭だけでは対策が難しく、本気で難関校合格を目指すのであれば小学校受験向けの塾の活用が不可欠だ。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の♯35では、小学校受験に必要な家庭学習のポイントや2024年度の試験内容の変化など最新情報も解説しながら、わが子を志望校に導く「正しい塾の活用法」を伝授する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
大手塾なら幅広い対策が可能
高倍率校狙いなら早期準備が大切に
小学校受験の塾選びは、志望校が固まっていないのであれば、最初の選択肢は幅広い対策が可能な大手塾になる。名門校に強い個人塾もあるが、紹介制のところが多く、初心者が質を見抜くのは難しいからだ。
首都圏の場合、「ジャック幼児教育研究所」「理英会」「伸芽会」「わかぎり21」などが候補となる。各塾の合格実績は次ページ表で確認できる。
ジャックは学校別クラスと運動に圧倒的な強みがあり、伸芽会は保護者との面談など手厚い対応や自立心を養う合宿に定評がある。理英会は子どもの目線に降りて楽しく学ばせる指導が特徴で、わかぎり21は筑波大学附属小学校など国立小の合格実績が高い。関西では奨学社が国立小に強く、理英会関西は幅広い学校に情報網を持つ。
ジャックのような「参観型」か、「預かり型」かという分類もできる。預かり型は共働き家庭に向いているだけでなく、他の子と比較せずにわが子の成長に集中できるというメリットがある。一方、参観型は子どもの態度や理解度を見られるため、家庭学習に生かすことができる。
自らの子どもの小学校受験を体験し、現在は小学校受験情報を発信する狼侍(SNSのハンドルネーム)氏は「先生との相性も重要なので、まずは体験授業で指導方針や雰囲気を確認してほしい」と助言する。
以前は年長スタートも多かったが、近年は年中から通塾を開始する家庭が増えている。多くの塾関係者も「高倍率校を目指す場合、年中から始めるのが理想的」と指摘する。
絶対的な志望校が決まっている家庭もあるが、各校の説明会などを聞いてわが子の進学先候補を選ぶ家庭も多い。その場合も「1年間では見られる学校に限界があり、早めに準備しておくと、学校選びや志望理由をゆとりを持って考えることができる」(伸芽会教育研究所の麻生尚子次長)という。
次ページでは、首都圏の塾別の主要小学校36校の最新合格者数を大公開。雑誌版を大幅に拡大して、小学校受験の試験の特徴や、「いつから」「どのクラスを取ればいいのか」や「家庭学習の量やポイント」など、具体的に踏み込んで紹介。さらに24年度入試の「ペーパーや面接の変化」などについても解説する。25年度入試に役立つ情報満載なので、ぜひチェックしてほしい。