組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿#2Photo by Hirobumi Senbongi

農協職員が営業ノルマを達成するために、本来不要な共済(保険)を契約する“自爆営業”が問題になった2022年以降、激震に見舞われているのがJA共済連だ。特集『組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿』(全17回)の#2では、農協役職員アンケート(有効回答数434人)の結果に基づき、農協からの共済連の支持率や、共済連に期待することのランキング、“辛口”のコメントなどを大公開する。共済連への評価において、「農協幹部」と「農協職員」との間に、埋めがたい“格差”があることが浮き彫りになった。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

「収益を共済に依存している限りは…
“自爆営業”の問題解決は難しい」という絶望感

 ダイヤモンド編集部は、農協の役職員にJAグループの上部団体への評価を聞く「農協役職員アンケート」を実施した。同アンケートは、(1)全国に約500ある農協の法人登記に代表理事などとして住所の記載があった農協の組合長、会長らにアンケート用紙を郵送、(2)インターネットで広く回答を募集――という二つの手法で行い、合計434人から回答を得た。

 ダイヤモンド編集部は、農協役職員アンケートに基づき、JAグループの主要12組織(JA全中、都道府県の農協中央会、JA共済連、農林中央金庫、JA信連、JA全農、JA経済連、日本農業新聞、家の光協会、JA全厚連、全国農政連、みのり監査法人)の支持率を算出した。

 支持率は、農協幹部(組合長など)からのものと、農協職員からのものの2パターンで算出した。全ての組織において、幹部からの支持率より、職員からの支持率の方が低くなったが、とりわけ共済連の前者と後者の支持率の格差は32ポイントもあり、12組織中、最大だった。

 農協の経営を成り立たせるために、共済(保険)事業を行う幹部と、実際に共済のノルマの達成を求められる職員との間には、相当な温度差があるようだ。

 次ページでは、共済連に対する農協幹部、農協職員それぞれからの支持率や、共済連に期待することのランキング、“辛口”のコメントなどを大公開する。