組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿#10Photo by Hirobumi Senbongi

都道府県にあるJA信連(信用農業協同組合連合会)は、農林中央金庫と同様、農協から預かった資金を運用し、還元する役割を果たしてきた。不良債権の問題などで、農林中金に統合を余儀なくされた旧信連と違って、独立を保ってきた信連は健全な財務基盤を誇っていたはずだが、現在はどうなのか。特集『組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿』(全17回)の#10では、農協役職員アンケートの結果に基づき、信連に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

都道府県別で評価に格差
愛知の信連は農協幹部から高い支持

 ダイヤモンド編集部は、農協役職員アンケートの結果に基づき、JAグループの主要12組織(JA全中、都道府県の農協中央会、JA共済連、農林中央金庫、JA信連、JA全農、JA経済連、日本農業新聞、家の光協会、JA全厚連、全国農政連、みのり監査法人)の支持率を算出した。

 信連は、農協が信用事業を行うために設立した上部団体で、預金の運用などを行う。その一部は財務の悪化などを理由に、農林中金に統合した。現在、32都道府県に残っている信連は、比較的財務が健全だった組織といえる。

 しかし、信連への評価については都道府県によって大きなばらつきがあるようだ。

 また、農林中金が2025年3月期に7800億円の最終赤字に陥る見通しを示していることも信連の不安要因である(詳細は『【スクープ】農林中金が7800億円の最終赤字見通しで、農協などに増資に向けた協力を要請!5年間は無配の見込み』参照)。農林中金の主要な出資者である信連は、今後5年間配当を受け取ることができなくなる見込みだ。それに加えて、農林中金の増資要請に応じれば、さらに経営が圧迫されることになる。

 次ページでは、信連に対する農協からの支持率や“辛口”のコメントなどを大公開する。