ボブ・サップvs曙の衝撃カード
ひときわインパクトのあるカードを打ち出したのがK-1だった。
石井館長は当時親方だった元横綱の曙太郎を口説き、お茶の間にも人気が浸透していた巨漢ボブ・サップとの対戦を目玉に打ち出す。のちに石井館長は「大みそかに関しては『真面目な真剣勝負よりもお笑いのほうがウケる』と思っていますから」と競技性などは度外視だったと述懐している。
一方、PRIDEは「本物の闘いは、ここにある。」とのキャッチコピーを打ち出し、吉田秀彦とホイス・グレイシーのリベンジマッチ、桜庭和志、田村潔司ら人気選手のカードなど、これまでのPRIDEの路線で勝負する。
3団体でもっとも迷走したのが猪木軍だ。いち早くミルコと人気プロレスラー高山善廣の一戦を打ち出すも、ミルコが怪我を理由に欠場を発表したため頓挫。日テレ側はミルコに加え、小川直也、吉田秀彦の出場も提示されていたと言われるが、どれも実現しなかった。PRIDEヘビー級王者のエメリヤーエンコ・ヒョードルを招聘するも、付け焼き刃感は否めなかった。
テレビでの格闘技放送には、カード以外に興味を引くためゲストに有名人を呼ぶという手法がある。この点でも三者は明暗が別れた。